どのような場合に探偵を使うべきか?
営業マンの悪質なサボり摘発に探偵を利用する方法について提案しているサイトですが、いろいろ懸念もあると思います。
費用対効果の問題やまじめな営業マンがどう受け取るか?などです。
営業マンの行動管理の根本から立ち返って考察してみました。
悪質な確信犯の排除
探偵の行動調査を使うというのは、ある意味、最終手段だと思います。
コストもかなりかかりますし、まじめな営業マンが「興信所まで使って監視してくるのか?」と圧迫感を感じる懸念もあります。
- 状況証拠から勤務時間の大半をさぼっていると推定され、、いくら指導しても改めない者。
- 他の営業マンが「どうしてあの人が許されているのか?」と思い、士気低下の原因になっている者。
- 冷遇しても退職せず、基本給を維持して遊べれば十分と思っている確信犯。
- 通常の手段ではもはや態度を改めさせることも退職に導くこともできないと思われる者。。
そういう人に対して絞り込んで使っていくべき手段ではないかと思います。
こういう人は、自身が空費する年間コストも周囲に与える悪影響も甚大です。
最終手段を使ったとしても、コスト面からも他の社員の意識面からも正当化されるでしょう。
営業マンの管理システムの中での位置づけ
営業マンの使命は売上を取ることであり、その評価尺度は基本的には数字であるべきだと思います。
数字さえ出せれば細かな行動まで問わない、というのが基本思想としては正しいはずです。
究極の目標はサボりをなくすことではなく、売上を上げることです。
- 営業部長の細やかな面談・同行指導と動機づけ
- 成果が報酬につながるシステム
営業マンはこの2つで動かして、結果は数字で見ていくのが基本であり、行動管理は補助手段だと思います。
しかし、時にはこの仕組みが効かない異常者が紛れ込んでくる。
売上目標達成にも、自身の昇給・昇格にも興味がなく、給料をもらって遊んでいられたらいいという人間です。
そういう者を排除するために探偵という最終手段もある、と捉えるのが妥当だと思います。
営業マンの行動管理に関する補足
営業マンの評価尺度は、基本的には数字であるべきだと述べました。
しかし、数字だけで見ることができない場合もあります。
例えば、営業行動を起こしてから結果が出るまでに長い時間がかかる業種です。
そういう業種においては、足元の業績は前任者の営業行動の影響が大きくなります。
足元の業績だけで評価するのは無理があり、日頃の行動も管理・指導し、評価してやらねばならない場合が出てきます。
また、数値目標ばかりを連呼しても結果がついてこないこともあります。
営業マンのスキルが低い場合です。
そういう時はまず数字の結果につながる行動の仕方を教えてやる必要がある。
そして、それを実行しているか確認するための行動管理であれば、それは売上につながる前向きな管理です。
しかし、時に行動管理が自己目的化してしまう場合もあります。
営業マンの行動の一挙手一投足を監視して、すべてのサボりを排除しようとすることです。
そういう方向に行くと真面目な営業マンまで圧迫感で意欲を失いますし、売上につながってこないでしょう。
そもそも、外回り営業マンの行動において、仕事とサボりの境界は必ずしも明確ではありません。
喫茶店にいたとしても、スマホでエロサイトを閲覧していたならサボりですが、次の訪問先への提案資料の直前確認が目的なら仕事です。
本屋にいたとしても、マンガの立ち読みならサボりですが、仕事を改善するビジネス書を探していたなら、立派なことです。
そのあたりは行動の外見だけで判断できないことですから、あまり事細かに管理しても意味がありません。
そして、行き過ぎた行動管理の延長線上で探偵を使うとしたら、それは良い結果をもたらさないだろうと考えます。